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猟奇的

一発で変換するかなーと思って打ってみたら変換した。猟奇的。
昔から読む分には大好物です。横溝正史と江戸川乱歩に浸った中学時代だったんだってば。
島田荘司の初期のころ(つーても涙ながるるままにまでは読了ですが)とかね。おどろおどろしい、大時代的な、陰鬱で湿った気配のする血の物語。
読む分には大好きなのですが、これが自分ではなかなかできないことだなーと思います。
狂気というものを理解することはとても難しい。自分の中にそういう、狂的なものが皆無に近いほど少ないせいなんだろうと思うんですがね。精神安定健全性でいえばとても平らかなんですよ。
好きすぎて狂うとか、殺したいほど憎むとか難しい。日常でも「面倒で疲れるから」怒ることはあんまりないです。
怒るよりはがっくりしたり離れたりの方が多い。アクティブよりは離脱を求めてしまう。
物語の中にはどうしてもそういう大きな情動が必要なのに、自分の中にある精神的なエネルギーは凪の海状態なので、理解することは辛うじてできても作り出すことはとても難しいです。
何か難しい難しいばっかり書いてますが、その大きな情動が狂気になり、はては猟奇になるとなると創造の枠をだいぶ超えている感じがします。
なんつーか、血生臭い(はずの)シーンを書いても乾ききったかさぶたがぽろぽろ落ちてるだけのように見える。
湿気大事です。実生活では湿気は困りものですが。

朝方に書く文章はまとまり無いね!
つーかほんとにラブくまとまるのかね!?


目深にフードを被った旅の二人連れ。寒冷なこの地方では珍しい姿ではない。
雪こそないものの、山から吹き下りる風は冷たく、毛皮や綿の入った分厚い布など、防寒具に身を包む人は多かった。
寒そうになく薄着でいるのは、永らく住んで慣れている地元の人々だろう。
旅の者は総じて身を縮めるようにして歩いていた。
人数よりも、嵩張る衣服のせいで混雑して見える町の中央、寒い曇天の下でも生活の活気に満ちている人通りの中を、大小二つの薄汚れたマント姿の二人がいた。元は上質だろうマントは、長旅のせいか色が褪せ、土埃で汚れている。大きな、周囲より頭一つ抜き出た一人はゆったりとした足取りで、小さな、周囲より少し小柄な姿はきびきびとした足取りで。宿の並んだ通りに差し掛かり、二人で顔を突き合わせて相談したかと思うと一軒の宿に入っていく。周囲の街並みに溶け込んだ、瀟洒すぎず場末すぎず、家族で泊まるような暖かい雰囲気を漂わせた宿だ。寒さを防ぐ分厚い木のドアを開いて中に入ると、食堂の奥に愛想のいい宿の主人が見えた。昼下がりの時間、食堂は常の賑やかさになかったが、椅子の間をするりと抜けて二人は宿を請う。大きな男の、見かけにそぐう低い、だが穏やかな声と出された数枚の貨幣に、さらに愛想を振りまきながら主人は二つ返事で部屋と夕食を請け合った。
こんなこともあろうかと、ではないが、市井の事情にうといリーアはともかく、エディーンは何時いかなる時も金銭が通用する場所は多いことを良く知っていたので、ただ身一つで出奔するのではなく相応の用意をしていた。その用意が徒労に終わる可能性が高いことも、出奔自体が大いに賭けである要素は十分承知していたが。
国を離れて落ち着いてしまえば、備わった能力で食べていくには困らないだろう技量を二人とも備えている。
…少なくともエディーンは。
なので、豪奢とはいかないが宿場では部屋を取り、ふんだんに食事を頼む旅費には困らなかった。
「ほんと、初めての宿だよね。長かったなあ、森の中は。ベッドなんていったいどれぐらいぶりだろう」
嬉しげに目深にかぶったフードの中で呟きながら軽やかな足取りが階段を上がる。その後をついて歩く男の、フードに隠れない口元に柔らかい笑みが宿った。
「城以来だから、ふた月にはなるのではないかな。ああ、そこの一番奥の部屋だな」
木の床を軋みも立てずに進み、示された木のドアを開く。小ぢんまり、という言葉がふさわしい、広さはないが清潔さと明るさに満ちた部屋があった。
だが、その入り口で二人とも無言で立ち止まった。

部屋の奥、通りに面した窓に添わせて置かれた、この部屋唯一のベッドを無言で見るのだった。

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