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ざぶざぶ採血

久しぶりに採血したんですが。
相変わらずざぶざぶしてました。採血するのに全く苦労のないワタクシです。
昔からそうなんですが、注射とか採血の時にじーっと見ます。
注射はまあ、入って行くだけなので「この痛みが薬剤が入っていく痛み…!」みたいに感じてそれはそれで楽しいんです。
が。
採血はもう目が離せません。今は針だけそのままで、カートリッジのように容器だけを変えていく式がほとんどです。今回4本とりました。
初めの一本はもうおまいはシャンパンか!噴水か!のごとき勢いであふれ出てあっという間。
2本目の半ばになってようやく勢いが衰えるが、少し針先を動かすとまたシャンパン。3本目と4本目もちょいと針先を動かすだけで見る見るうちに溜まり、その時採血されていたメンツで最後に座ったのに最初に終わりました。
血が流れるのを見るのって楽しい!(無論自分のものに限る)
じゃあ献血すればってことになるんですが、どうもわしの血は薄いんです。貧血というより水っぽい?血色素量とか比重が足りないとかで400はお断りされちゃいます。
うすーい水っぽい血がざぶざぶ太い血管の中を流れています。血の気が多そうなのに水っぽいわしです。
相変わらずの血流でしたが、結果はひと月後。結果はこわーい。

そんなこんなで習作。もはやどこをどうしたら柔らかくなるのかわからない…


花ひらく。
寒い日々を乗り越えた固い蕾が、優しい日差しにゆっくりと解けてゆく。
ああ、春がやってくる。二人が出会った春が。
大人しいくせに放浪癖があって、すぐに城からどこかへ抜け出しては騒ぎを起こす末の妹が、少年を拾ってきたのはこんな春の日だった。
まだ6歳。
あどけなさと人を疑うことを知らぬ天衣無縫、いつもにこにこと楽しげな妹は、そのくせとびきり身が軽く、小さな隙間や高い城壁を潜り抜け乗り越えて市井へ遊びに出ることが頻繁だった。
いくらかの悶着もあったと聞いているが、危ないところで潜り抜けてはひどく怒られ。なのにまた抜け出して行ってしまった。
善政をしいている父の御世とはいえ、無謀に過ぎる。沢山の女官をつけても護衛をつけても、するりとすり抜けていくのは、この子の天職は泥棒ではないかと思えるほど、幼児を脱したばかりの年にしては卓越した脱出能力だった。
そんな妹がうららかな春のある日、一人の少年を拾ってくる。
少年、というよりは大型の犬かと思ったのだ。身につけているものはぼろぼろで、体も何もかもひどく汚れ、本人もそれは自覚しているようでひどく城内に入るのは抵抗したらしいのだが、妹がその小さな手でしっかりとつかんで離さなかった。
黒い大きな野良犬のような彼は、着飾りきちんとした身なりの人々の前で、困惑し、戸惑い、居心地悪そうにしていたが、不思議に卑屈さだけは見せなかった。どうしても指や腰の服を掴んで離さない妹ごと風呂に入れられ磨き上げられると、そこには困ったような顔をした異国風の美少年が現れて驚いた。華やかな色味の多いこのあたりの人々とは違う、どこもかしこも黒一色で、それでいて夜の星のように静かに煌く、まだ十代に入ったばかりなのに美丈夫となること間違いのない野性的な容姿に、美貌の一族で綺麗な顔は見慣れていた私もしばらく瞬くことを忘れた。
その手を握る小さな妹は、いつもの幸せそうな笑みで、彼と自分に大量の食物を要求したのだった。

妹が拾ってきた彼は妹のものとされ、妹と共に教育を施されると妹を遥かに超える吸収力を見せた。剣の腕も作法も社交も、生まれながらの王族より堪能に身に付けている。どれほど調べても結局身元は知れなかったが、何ら恐れる様子もなく妹は彼を近侍とした。彼は唯望まれるままに、ひたすらに妹に付き従う。
そして、私の末の妹は。
数年前にわが王国最強の力を示し、大陸に名を轟かす姫将軍となった。
彼女の向かうところに敵はない。かといって他国を平らげることはわが国はしなかった。それは十分に可能だったのだが。
父が、苦悩した。
今も、苦悩し続けている。
妹の力は、妹の命そのものを削って発露しているとわかって以来、ずっとずっと。

「姉さま」
「なあに?」
「姉さまは、いつも綺麗。あの方と居ると、もっと綺麗になるね」
「ふふ、恋はいいものよ。貴女も誰か居ないの? この前いくつか手紙が来ていたわね」
「そういうの、難しいよ…姉さまみたいに綺麗じゃないし」
心なしか項垂れた頭をそっと撫でる。私のものとは違う、月の光のような儚い銀の髪。
「あなたは綺麗よ、私の自慢の妹なの。私の初恋の人を奪っちゃうぐらい」
「へ?」
顔中を疑問でうずめた妹をぎゅっと抱きしめる。華奢だけれど、戦場に出るしなやかさは身に付けた身体。
凍った心を融かす春の笑顔の、大切な愛しい妹。
春が、ずっと続けばいい。花ひらくのを急がぬように。あでやかに咲き誇るまで。

王国最強の姫将軍と、その御付きの出逢いの回想。
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