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お堅い

カッチカチやな!と笑えてくるほど硬い。
見た目描写で如何に美しいを連発せずに美形を描写するかフェスティバル(自分限定)を開催中。
と、こう書けば自ずと今日書く内容が決まるよ!やったー何にも考えてなかったのにネタになった!

美しい、という言葉は特別です。美しい◎◎と書けば、読んだ人の脳裏には「その人が考える最上級に美しい◎◎」が勝手にイメージされてくれます。はっきり言って色々ごちゃごちゃ書くよりもシンプルで、かつ効果的です。
だからこそ、使うことに抵抗があるのです。使うなら顔の造作ではなく、雰囲気とかそういう形ないものに対して使いたい。
漫画とは違う小説だから、相手に委ねるものだから、簡単だから。
漫画だと、「美しい◎◎」を描けなければいけません。少なくとも、読み手にとって「美しい◎◎」であることを受け入れられるレベルのものを描けなければいけない。でなければ実感として読み手には入っていかない。
でも小説なら、思い浮かべてもらえるのです。
だから努力しなくてはと思うのです。安易に使うことなく。
とは言いながら難しいですが。やっぱり使っちゃうけどね。

そんな習作。まだ落ちも何も考えてないのに!
彼は夜のようだった。暗く、静かで、謎に満ちている。
本人が好んで黒一色の装束をまとうせいもあった。装飾の少ない黒衣が滑らかな筋肉に覆われた身体を着痩せして見せる。細身にすら見える身体はいつも静かに動いた。甲斐甲斐しく主の世話を焼くときも、戦いの場でも。
括れない長さに切った髪は漆黒。陽に焼けたわけではなく、元から浅黒い肌は滑らかで、若々しい。
年齢は二十代半ばといわれているが、本人は語らず、言われた年齢を否定もしないので数歳の誤差はあれどそのあたりなのだろう。張りのある頬を見れば確かに頷けるが、言動ははるかに肉体の年齢を上回って見える。
慇懃なよく響く低い声に、情や熱があればそれだけで女が群がりそうなものなのに、殆どの場合氷のように端的で取り付くしまもない。冷たく生硬な姿は、その頭一つ抜き出た長身と、見合った体格も相まって常には周囲から際立った存在感を見せる。近寄るな、という無言の圧迫感を感じて余人は周囲に近寄ることはない。姿を見かけるだけで背筋に冷たいものが走るというものもいる。なのに、必要な場合には全く気配が消えてしまう。気付かれることなく淡々と食事の用意をしていたり、主を乗せた馬の轡を牽いて歩いているときなど、誰しもの足元にある影のように見えていても印象に残らないのだ。ふと気がつくとそこに居る、と驚かれる。なので厨房や女官、護衛の兵士の一部には神出鬼没の魔物として恐れられていた。
真っ直ぐな高い鼻梁、やや薄めだが形の良い唇。まったく表情が現れないときは、冷たさや恐ろしさを感じさせる端正な容貌は、彼女の前だけでその色を変える。
何よりもその瞳が、彼女の前だけで変わるのだ。星を含んだ夜を切り取り埋め込んだ、底知れない黒い瞳。眦の切れ上がった黒目がちな目が、時には酷薄に、時には揶揄を含み、時には労わりに満ちて彼女に向けられる。
形のいい眉が嘲弄めいて片方上げられるのも、冷やかに閉じられた唇が薄い笑みを刷くのも、彼女にだけ。
闇夜に射し込む一条の光。

「ねえエディーン」
「なんでしょう」
「嬉しい?」
「嬉しいですよ」
「良かった、気に入ってくれて」
「ええそれはもう。後片付けのことを思うと実に」
「…ちょっとパンケーキを作ってあげたかっただけなのに」
「もちろん一緒に片づけていただけますね」
「フライパン使えなくしてごめんなさい」
「というより火事は困ります」

王国最強の姫将軍と、その御付きの後始末。
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